5 次の日目が覚めると、江藤の姿は見えなかったが、ちょうど時計の時刻が見える。 5時24分・・・何時にここに連れて来られたかは分からなかったが きっと日付はまたいでいなかったはずだ。 目が覚めて昨日の事を思い出すと恐ろしくて、自分が情けなくなる。 あんな奴に好きなようにされて・・・・・ それでもこの身体は感じていたのだ。 それも、今までにないほど強く・・・ 抵抗も虚しくあっという間に全裸にされ、 敏感になりすぎた俺の身体は言う事をきいてくれなかった。 「っあ・・・や、やめ・・・」 「やめていいんですか?ココはそうは言っていないみたいですが」 江藤は巧みに俺自身を弄る。 ローションなんて持ち出して、先端を執拗にこねくりまわすようにして触ってくる。 その一方で最奥の秘部にもローションを垂らし、 グチグチと嫌な音を立てながら指を入れて抜き差ししていた。 最初は一本だった指が増やされ、今一体何本入っているのか分からない。 痛くはなかったが、今まで後ろを弄ったことも、 まして弄られた事もなかった俺はその違和感に眉をひそめた。 「くっ!・・・ふ・・・嫌、だって・・・」 「大丈夫、痛くはないでしょう?ちゃんと気持ち良くしてあげますから」 そう言って指の腹で中を擦られると、まるで電流が走ったように身体がビクリと跳ねた。 その場所を何度も擦り、俺自身にも刺激を与え続ける。 「ああっ!!も・・・!!」 「イきそう?いいですよ。ほら・・・」 ほらと言った江藤は俺自身を握りこみ激しく上下に扱く。 ローションなのか先走りなのか分からない濡れた水音が部屋に響き・・・ 「ぁあ!あ、や、ぁあああーーーっ!!!!」 「ああ、可愛いな・・・その顔、堪らない・・・」 俺の放った白濁したそれは、江藤の着ていたワイシャツを汚した。 「ああ、もったいない・・・飲んであげれば良かった・・・」 そんな恐ろしい台詞を吐いた江藤はおもむろに来ていたワイシャツを脱ぎ、ベルトに手をかける。 現れたソレはおれのソレより大きく、固く反り返っていた。 「っ!!そ、んなの無理だ!お願いだから、やめてくれ!!」 「香島さんの頼みでも、ダメです。俺を受け入れて下さいね」 江藤は自らの下唇を舐めると、壮絶な色気を帯びた顔を近づけてくる。 それと同時に江藤自身が俺のそこに宛がわれ、ゆっくりと侵入してくる。 絶対に痛みで耐えられないと思っていたそこは、江藤を難なく飲みこんでいくようだった。 もちろん痛みもあったが、それよりも江藤の顔があまりにも色っぽくて、 江藤が少し声を漏らしたのを聞いた瞬間に快感が背中をゾクっと走っていった。 「んっ・・・!!」 思わず声が漏れる。 江藤が腰をユルユルと腰を動かしはじめ、その動きは徐々に大きくなっていった。 「ん・・・気持ちいいです。香島さんのなか、熱くて、絡みついてくるっ!」 徐々に激しくなる動きにあわせ、自分の意志と反して声が漏れる。 自分でもあきれる程鼻にかかった声・・・今まで感じたことのないほどの快感に、 もう抵抗しようという気も奪われていった。 「あっ!あ、あ、や!・・・はぁ、あ!」 「香島さん・・・香島さん・・・っ」 江藤は俺の名前を呼び続ける。 そして限界を感じたのか、江藤はひとつ大きく腰をグラインドさせると、 江藤自身を根元まで挿れたまま俺の中で果てたようだった。 江藤は終始俺の様子を食い入るように見つめていた。 まるで俺の一挙手一同を見逃さないとでも言うように、俺の身体に触れている間中 視線が逸らされる事はなかった。 行為が終わると、江藤が唇を重ねて来た。 普段ならきっと噛みついていただろうけど、俺の思考はもう完全に停止していた。 それは今までの行為とは裏腹に、優しく触れるだけのものだった。 昨日の壮絶な快感を思い出し身体が震えた。 今の隙に逃げ出さなければと思って身体を起こそうとしたが、やはり手足が繋がれていた。 「くそっ!!」 悪態をつき再びベッドに横になると、何やら隣の部屋から話し声が聞こえて来た。 『ああ・・・その件についてだが・・・』 相手の話し声が聞こえて来ない。 どうやら江藤が電話で誰かと話しているようだった。 『そうだな、回収出来なければ沈めろ。多少は使えるだろう ああ、前山ん所の競売にかけてもいい。お前に任せる。』 沈める?競売?一体何の話だ?? 明らかにいつもと口調が違う。声もいつもより低くで、まるで・・・ 『ああ、そっちも落としまえはきっちりつけさせろ。』 ごく・・・どう・・・・のような・・・ 『ああ、分かった。また連絡する』 どうやら電話が終わったようだった。 そして足音が近づいてくるのが分かったがこのまま寝たふりをする事にした。 「香島さん・・・」 俺を呼ぶ声は、いつもの江藤の声に戻っていた。 いや、いつもよりもっと、切なくて、悲しそうな声で・・・ 「俺はあなたを、こうして縛り付ける事しかできないんでしょうか・・・」 どうして、そんな声でそんな事を言うんだ・・・ お前の言った・・・ “貴方を犯したい。SEXだけじゃない。心も身体も、支配して奪い尽くしたいんです。 あなたのよがっている顔、涙、全部綺麗なんだろうな。” あの言葉と今の言葉、そしていつもと違う口調の江藤・・・ どれが本当のお前なんだ・・・ ← → novel index top |