6 「あ・・・シャナ・・・!っあ、ダメ!」 さっきから、俺のソコはだらしなく半透明の液体を垂れ流している。 ソレが王・・・いや、シャナに握り込まれたまま、上下に擦られ、 その間にも何度も角度を変えながら深いキスをされる。 恥ずかしくて仕方がないのだが、やめて欲しくなくて、 矛盾だらけの頭と心で必死にシーツを掴む。 「いい顔だ、希・・・もっと感じてくれ」 耳元で優しく囁かれ、同時にソレの先端を強く擦られた。 「あ!っぁぁああ!」 イって・・・しまった・・・ 俺の放った白濁の液体で、シャナの手はグチャグチャだった。 シャナの顔を申し訳なさそうに見ると、 彼は微笑みながら、その汚れた手をぺロリと舐めた。 なんて事だ!! 驚き、目を見開いて見ていると、 そのまだ濡れている手が俺の尻の方へ運ばれた。 そして、液体が窪みに塗りたくられる。 「本当は舐めてあげたかったんだが、 最初は抵抗があるだろ?だから最初はこれで我慢してくれ」 言われた言葉を反芻して顔から火が出そうになった。 ななな・・・舐めるなんて!! 指らしきものが入り口にあてがわれ、 ゆっくりと侵入してくると、もうそんな事をいつまでも 考えて居られなくなる。 「あ・・・や・・・やだ、なんか変」 今まで感じたことのない感触に目をきつく瞑る。 「でも、まだ痛くはないだろう? ゆっくりと解してやるから、緊張しないで・・・」 緊張するなというのが無理なのだ。 何しろ全ての事が初めてで、しかも想像の範囲を超えている。 そこを解してナニを入れるのかは、さすがに分かる。 だから余計に緊張するのだ。 「不安だったら、俺にしがみついていればいい。 爪を立てても構わないから」 そう言って腕がシャナの首に導かれる。 シャナはいつの間に服を脱いだのだろう・・・触れ合う素肌が気持ちいい。 裸同士という事を意識してしまい 顔を見られまいと必死にしがみつく。 「ゆっくり息を吐くんだよ・・・指、増やすから」 言われた通り指が増やされ、そこに加わる積量が増す。 「ぁ・・・ああ・・・っ!」 中で指を曲げられたり、円を描くように動かされ、 ある一点を擦られると身体が跳ねた。 「ここか・・・」 シャナがぼそっと呟いたが、俺には何の事だか分からなかった。 グチグチという卑猥な音と共に、後ろが押し広げられていく。 そうしてついに、シャナのモノがあてがわれる。 「力を抜いて・・・全てを任せて・・・」 「っ・・・はぃ・・・」 ゆっくり息を吐くと同時に、今までとは比べ物に ならないくらい太いモノが侵入してくる。 苦しくて痛い・・・しかし、それだけではない。 熱くて、そして嬉しくて・・・涙が出そうなる。 押し進められると、心まで埋まっていくようだった。 「っ・・・全部入ったな・・・大丈夫か?」 耳の横で甘くすれた声がする。 「・・・っは・・・はい」 感じてくれているんだと思うと、嬉しかった。 俺で感じてくれている。 命を繋ぐためのだけに抱かれるのでは悲しいと思っていたが、 彼がよがってくれるならそれだけでも報われる。 自分のためだけの行為ではないと思えるからだ。 暫く動きを止め、もう何度目になるか分からないキスをした。 深く絡められる舌。その舌に、俺の意識まで絡め取られていく。 もう、自分がどんな格好でいるのかも、どんな顔をしているのかも 何も分からなくなる。 「動くぞ」 まだ唇が触れ合っている時に、そう言われた。 俺は無言で頷く。 それからは凄かった。 凄かったなんてものでは言い表せられないが、 自分の貧弱な頭ではこう表現するので精一杯だ。 まず、「ここか・・・」と言った意味を理解させられた。 集中的にある一点を攻められる。 ソコを激しく突かれる度に悶えてしまう。 「ッ・・・ここが、いいんだろう?」 そう言う彼に、 俺は嬌声の合い間にガクガクと首を縦に振るしか出来ない。 自分自身の先端から止め処なく先走りが溢れ、 シャナの腹部を汚していく。 その感触に気付いたシャナが、後ろを突き上げながらソレを握り、扱く。 「あっ!シャナ!そんなに・・・したら・・・ああっ!」 「感じてくれているんだな・・・いい子だ。 もっと、希のイイ声を・・・聞かせてくれ」 この人の声と言葉は、一体どこまで甘いんだろう・・・ 甘いだけではなくて、色っぽく、意地悪でもある。 その甘さと身体のぶつかり合う音、それに卑猥な水音が 聴覚までもを快感の渦の中に導いていく。 初めてなのに、男同士なのに、 こんなにも感じてしまっていいのだろうか・・・ 容赦なく打ち寄せる波に抗いきれなくなった時、 何かが弾ける感じがした。 「あ!も・・・だめ・・・ぁ、ぁ、あ、あああッ!!」 また、イってしまった。 ただ今回は、自分だけではなかった。 俺がイった後、シャナが「ック・・・」っと低い声で唸った。 お腹に熱いものが注がれる感じがして、それでもまた感じてしまった・・・ 身体中の血管が、ドクドクと脈打っている。 「お前の中は酷く狭くて、熱いな」 俺の上から降りて、横にごろんと寝そべり、うっとりと 呟いた。 「これで、おまえがこのまま死ぬ事はなくなったな・・・」 そうだ。 彼の熱を受け止めたのだ。これで命の危険はなくなった。 でも、それだけではない。 どうしてこんなに満たされた気になるのだろう・・・ 「あの・・・もっと傍に寄っても・・・」 言い切る前にグンッと身体が引っ張られた。 「私に触れるのに、誰に了解を得る必要もない。」 そう言って、もう何度目かになるかも分からない口付けをされる。 チュッと軽い音を立てて離れた唇が、一拍置いてまた降って来る。 それから暫くはキスの嵐だ。 息が苦しくて、必死にしがみつく。 もう身体は限界だ・・・ なのに、中心部に再び熱が集まっている・・・ 「本当に、可愛い・・・この熱は早く冷まさないとな・・・」 そう言って俺のソレにやんわりと触れる。 「あ・・・もう・・・無理・・・」 「大丈夫、挿れないから・・・ただ、 この熱を冷ます手伝いをしてやるだけだ」 嬉しそうに言うその顔を見て、もう反抗する気など失せてしまった。 完璧な大人の男だと思っていたが、それは間違っていたらしい。 それでも、彼の評価が下がってしまったわけではない。 逆に、そんなところも魅力的だと思う。 こういう甘苦しい思いをして、俺は一命を取り留めたのだった・・・ ← → novel index top |